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銀河鉄道999と俺

 銀河鉄道999は保育園の頃、テレビでやってたのを見てました。嫌々。

 そう、嫌いだったんです。兄が見るというので仕方なく見てたのです。弟は兄には逆らえないのです。

 なぜ嫌いだったかというとですね……怖いからです。

 全体的に暗めの色調だし、やおらガイコツがばーんと出てきたりするしで怖い。

 テレビスペシャル「ガラスのクレア」なんかは今見ても心臓によろしくない。

 蒸気機関車は好きだったんですけどね。

 

 そんなある時、何故かイケメン化した鉄郎が出ている999が放送されていました。言うまでもなく劇場版999ですね。あれも最後プロメシュームの顔が崩れて機械の素顔が出るのが怖くて、やっぱり999怖い病は続いたのでした。

 

 そして去る1981年の夏、母方の田舎に遊びに行っていた自分は、従姉と兄たちが999の映画見に行こうぜと言い始めるのを聴いていました。999怖い病が治ってなかった自分は市民プールの方がいいと言いましたが、じゃあ晴れたらプール、雨だったら999にしようと言われ承諾したわけですが、後から考えたら天気予報的には選択の余地はなかったわけですね。はめやがったなちきしょう。

 そして市内の映画館まで連れ立って見に行ったんですが、これがまた中々の行列。入場時間が迫ると主題歌「SAYONARA」が流れたのを覚えています。

 そう「SAYONARA」。え、これ999の歌?なんか今までと全然雰囲気違うしさよなら以外何言ってるか全然わかんないぞ。でも何故か凄く耳に残る…。

 そして入場が始まり上映が始まり、エンディングの訳詞字幕付でSAYONARAを聴き終えた後にはもう999のこと以外まったく頭になかった自分がいました。

 自分が覚えている限り、これが人生で初めての長編映画観賞だったと思います。

 「さよなら銀河鉄道999アンドロメダ終着駅ー」

 999怖い病に対する特効薬でした。

 ところで当時はビデオデッキの普及率も低く、映画館以外で映画を見ようと思ったらいつ放送されるかわからないテレビ放送を待つ以外方法がなく、てっとり早い代替え手段としてはノベライズやらフィルムコミックやらに手を出すしかありませんでした。

 それも子供の小遣いでは分冊上下巻のうち上巻しか買えず、結局下巻は今に至るまで読んだことがありません。またフィルムコミックは図書館で読めましたが4分冊分のうち途中の1冊しか置いてないという体たらくでした。

 この頃の劇場版999への渇望が中学時代にサントラを買い、原作漫画豪華版※を全巻揃え、レンタルビデオで何度も見直した上に、大人になってからはDVDを買いBlu-rayを買い、今また4K版に手を出そうとさせているわけです。

 恐らく今後もソフトがアップデートされる限り新しいものを購入すると思います。

 これは言ってみれば刷り込みです。銀河鉄道999は青春の幻影などではなく、自分にとっては幼少期の原体験だったのです。

 

 あれから40年が経った2021年現在、さよなら銀河鉄道999の続編の漫画、「銀河鉄道999アルティメットジャーニー」が連載中です。原作者松本零士ではなく、島崎譲の執筆によって。原作者自身の続編は頓挫して久しいのですが、こちらは順調に連載継続しておりまして、原作エターナル篇の要素を取り込みつつもオリジナルの展開をみせる熱い漫画となっております。今度こそ無事終着駅にたどりつけることを祈っております。

 

 だからみんなもアマプラでもなんでもいいから999見ようぜ。楽しいぞ。SAYONARA聴いてしんみりしよう。

 

 ※買い集めていたのは1989年の頃でしたが、当時は完結済みコミックスをでかいハードカバー装丁で発売しなおすのがトレンドでした。確か1冊1,000円ぐらいしたと思いますが、バブル期だったので何もかもが豪華主義だったわけですな。中学生ごときの小遣いでは全巻揃えるのに半年以上はかかった気がします。