シーケンサーと呼ばれる自動演奏機が一世を風靡したのは80年代の中頃のこと。
正確無比で無機質なフレーズをバックで鳴らしつつ、人力演奏がそれに乗っかるスタイルでした。
90年代以降サンプラー音源が発達してくると、人力でまかなってた生楽器演奏がどんどん機械化していきました。
そうなってくると設置場所やら録音に手間のかかるドラムが段々いらない子と化してきました。
ついでに低音さえ出せればいいとベースもいらない子に。
さらにはラッパ部隊や弦楽部隊、鍵盤楽器も伴奏パートにおいてはいらない子に。
なぜなら同系統の楽器は、演奏楽器が増えれば増えるほど個々の演奏ニュアンスが曖昧になるため、
機械やシンセサイザーの手弾きで代用してもそれなりに聴き映えのする演奏が可能でした。
わざわざ演奏者の頭数を揃えて録音するメリットが薄れていったと言えます。
カネも時間もかかるし。
そして更なるテクノロジーの進化で機械演奏も人間的曖昧さを醸しだすほどに至っては、このままではいつかあらゆる生楽器演奏が絶滅してしまうのではないかとさえ思えました。
つづく。