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さらばスチームパイロッツ

 つい先程スチームパイロッツというゲームが死にました。

 正確には生まれてくることが出来ませんでした。

 タイトルロゴとキャラクターのデザイン画とゲーム中のスクリーンショット数点を残して。

 https://www.makuake.com/project/msart_games/

 

 2019年に企画が立ち上がり、クラウドファンディングで資金調達、2020年の発売予定でしたが、諸々の事情で延期に次ぐ延期となり、クラウドファンディングサイト側によってプロジェクトそのものが終了となりました。

 

 諸々の事情とは言いましたが、これまでに開発資金未払いによるゲーム制作会社の離脱、それに伴う訴訟、プロジェクト実行者による反訴、デザイナーの離脱とまったく笑えない出来事が次々と起こりました。

 中でも致命的なのは、開発の中核をなすゲーム制作会社の離脱でしょうか。本件は大金が動くビジネスであるにも関わらず契約書を作成しなかったという企業としてあまりにも脇腹の甘すぎる対応には首をかしげざるを得ませんが、それはそれとして現在に至るまで開発資金は支払われていません。

 契約書の件はさておいて、クラウドファンディングサイトには用途としてゲーム開発費と謳われているので、世間一般の常識で考えればクラウドファンディング資金の相当額がゲーム制作会社に支払われるはずだと考えますよね。

 ちなみにクラウドファンディングは2回実施され、1000万円を超える金額を達成し、うち800万程度がプロジェクト実行者へ支払われているとのこと。

 

 で、その資金どこに行った?

 

 資金の明細については本来プロジェクト実行者に報告の義務があるはずで、支援者からも報告を求められているにも関わらずこれまで一度も報告されていません。

 またプロジェクト実行者はゲーム制作会社からの訴訟アナウンスから程なくして、ツイッターアカウントに鍵を掛けて相互フォロワー以外閲覧不可となりました。さらに毎年欠かさず参加していたはずの東京ゲーム音楽ショーにも以後参加していません。

 

 後ろ暗いところがないならば堂々としていればいいと思うんですがつまりはそういうことなんだな?

 

 なおプロジェクト実行者によれば、離脱したゲーム制作会社の成果物は受け取らず、後任の担当者によって開発続行(つまり一から作り直し)しているため完成をお待ちくださいとのこと。担当者交代後はスクリーンショットの1枚も公開されておりません。

 そしてことここに至り、とうとう痺れを切らせたクラウドファンディングサイト側が支援者への代理返金対応に踏み切りました。返金対応の受付は2023年9月8日まで。

 これをもって当該プロジェクトは強制終了。今後はクラウドファンディングサイトでは取り扱わず、プロジェクト実行者の個人プロジェクトとなります。で、いつ完成するんだい?当初予定されていたゲームとは違うものなど今さら欲しいとも思わないが。

 ちなみに自分も8,000円出資しました。正直返金に関してはあきらめていましたし勉強代だと思っていましたが、返金希望をすることにしました。返金希望をしないことによりゲーム制作続行を希望しているとは思われたくないのです。

 本件はゲーム制作におけるクラウドファンディングの悪しき前例として長く語り継がれることになるでしょう。でけえ傷跡だな。

 支援者側としてはこれにて一件落着と言えますが、プロジェクト実行者とゲーム制作会社の訴訟は継続中なので定期的に注視していきたいと思います。クラウドファンディングサイト側代理返金の回収事案も発生することでしょうし。

 ほんとでけえ傷跡だなしかし。

 さらばスチームパイロッツ。結局君とは一度も会えなかったことが残念だ。