機械自動化の波にのまれつつあった楽器たちは、録音現場でのニーズは減りつつありましたが、
コンサートライブでの演奏では依然として人力演奏が主体でした。
これは音楽を生業としている人達の最後の良心だったのかも知れません。
また2000年代に入りバンドが再興してくると、当然ながらメンバーによる人力演奏が主体となり、
機械自動化は添え物程度の扱いとなってきました。
しかしその一方でアイドルなどのコンサートライブでは、ヴォーカル以外はカラオケという良心のかけらもない現場が増え始めていました。
観客の大半はアイドルを見に来ているのであって、演奏を聴きに来ているのではないという、
現実を厳しく見つめた、割り切った興行と言えます。
現在では更なる多様化が進行し、ボーカロイドによる自動演奏(歌唱)+人力演奏バックバンドという、
それまでの常識を覆す逆転現象まで起こりました。
人間と機械は融合を始めているのかも知れません。
これから先、音楽における人間と機械の関係はどのような形になっていくのでしょうか。
個人的には人力演奏オンリーの音楽が最高の贅沢だと思ってはいるのですけれど。