あれ、ひょっとしてこのお題目で書くの初めてじゃないですかね。
そう、略称F.S.S.ことTHE FIVE STAR STORIESと言えば、長い間連載が放置されている月刊ニュータイプ名物のアレです。
放置の原因は、作者がずっとアニメ映画を作っているせいです。
その映画がいよいよ公開されることになったらしいですが、そのプロモーションも兼ねて、1989年に映画化したファイブスター物語のBDが期間限定のスペシャルプライスで売ってまして、アマゾン価格だと3,000円切ってたので思わず買ってしまいましたわ。
さて画質ですが。
一応マスターから起こしてハイビジョン化してるので、当然ながらDVDよりはシャープになっています。
ただ大元の映像が淡い色調なので、特に発色が鮮やかになったというような感じはしませんね。
さすがに20年前の映画なんでそれなりにキズがあったりもしますが、マスターの保存状態が劣悪なわけでもないようですし、まぁ妥当な画質じゃないでしょうか。
今更ながら、あらためて内容に関して書いてみます。
映画化に当たって原作の難解な部分を出来るだけ端折って一見さんにも判りやすくしてあるはずなんですが、今見るとセリフの詰めの甘い部分やら、説明不足の部分(ファティマのマインドコントロールの件)もあって、やっぱり原作既読者以外には判りづらい作りかも。
まぁ原作ファン以外が見に来たとも思えませんが、そう言えば別の映画が同時上映だったのを思い出しました。荒ぶる魂を一本の角に託しちゃった人の映画が。同時上映の方がお目当てだった人達には、ファイブスター物語はどういう評価だったんでしょうかね?
話を元に戻しましょう。
ストーリーの件はともかくとして、緻密に書き込まれた作画はさすがに映画ならではのクオリティですし、65分と短めな時間の割りには結構な密度なので、物足りなさは特にないですね。
それから音楽はいつ聴いても華やかでいいですね。フルオーケストラ&合唱&パイプオルガンとか素晴らしくスペクタクルな編成にも関わらず、煩さを感じさせないそつの無さ。
リアルタイムで映画を見た頃は、同時期に見てたガンダムシリーズが、三枝成章のダークでシリアスな曲が多かったので、その華やかさが殊更心地よかったものです。
最近はアニメ関係の仕事はしてないみたいですが、またやってくれませんかね、朝川朋之さん。
昔ファイブスター物語が好きだったという人は、お安くなっている今なら買っておいても損はないのではないでしょうか。あくまで昔を懐かしみたい人にだけお薦めしておきます。
まだまともだった頃のファイブスター物語とまともだった頃の若本規夫の芝居を堪能しましょう。